O様邸 簾(すど)戸設置工事
きっかけは「お客様を迎える時間」から
「お客様が来たとき、いつも和室のドアを開けっぱなしにしているんです」
そう話してくださったのはO様。
ご相談を受けて訪問したのは、落ち着いた佇まいのO様邸でした。
和室のドアを開けると、家の中に心地よい風が通り抜けます。
昔ながらの日本の住まいらしい、空気を循環させる暮らし方。
特に来客時は、人が集まる分、空気の入れ替えを意識されているとのことでした。
しかし、その一方でO様には、ずっと気になっていることがありました。
「開けたいけど、見られたくない」というジレンマ
「ドアを閉めると空気がこもるし、開けていると家の中が見えてしまうんですよね……」
和室のドアを開けると、玄関や廊下からの視線がそのまま室内へ。
お客様がいるとはいえ、生活空間が見えてしまうことに、どこか落ち着かない気持ちがあったそうです。
「お客様にも、なんとなく気を使わせてしまっている気がして」
O様はそう言って、少し申し訳なさそうに微笑まれました。
「風通し」と「プライバシー」、どちらも大切にしたいからこその悩みでした。
ご提案したのは「簾戸」という選択
そこで私たちがご提案したのが、簾(すど)戸の設置です。
簾戸(すど)とは、障子や襖の代わりに夏に使われる建具で、竹などを編んだ簾(すだれ)をはめ込んだもので、「夏障子」や「葦戸(よしど)」とも呼ばれ、風を通しつつ光を遮り、プライバシーを守る役割があります。
簾戸は、
・ドアを閉めなくても視線を和らげる
・風や光はしっかり通す
・和室の雰囲気を損なわない
という特徴があります。
「完全に仕切ってしまうのではなく、やさしく区切る建具ですね」
そうご説明すると、O様は何度も頷きながら、
「それなら今の暮らし方を変えずに済みそうですね」とおっしゃいました。
和室に馴染む、自然なデザイン
簾戸は、見た目の印象も重要です。
和室の落ち着いた空間に合うよう、素材感や色合いを確認しながら、違和感のない仕様を選定しました。
「いかにも“後から付けました”という感じは避けたくて」
そんなO様の想いを大切に、既存の建具や柱とのバランスを考えながら準備を進めました。
施工当日 〜暮らしが変わる瞬間〜
工事当日。
大掛かりな作業ではありませんが、細かな調整が必要です。
建具のサイズ、開閉のしやすさ、簾の張り具合。
一つひとつ確認しながら、丁寧に設置していきます。
「思っていたよりスッキリしていますね」
作業途中の様子を見ながら、O様は安心した表情を浮かべていました。
簾越しに感じる、ちょうどいい距離感
設置完了後、実際に和室のドアを開けたままの状態を確認します。
風は今まで通り、室内を気持ちよく流れ、
それでいて、廊下や玄関から和室の中がはっきり見えることはありません。
「これなら、お客様が来ても気にならないですね」
O様はそう言いながら、簾越しに見える室内の様子を眺めていらっしゃいました。


お客様を迎える安心感が生まれた
「今までは、どこか落ち着かなくて……」
そう話してくださったO様。
簾戸を設置したことで、
・空気を循環させながら
・生活感をやさしく隠し
・お客様にも気を使わせない
そんな空間が生まれました。
「これで、気兼ねなくドアを開けておけます」
その一言に、今回の工事の価値が詰まっていました。
小さな工夫が、暮らしの質を高める
今回の簾戸設置工事は、大きな間取り変更や設備交換ではありません。
それでも、O様の日常とおもてなしの時間を、確実に快適なものへと変えました。
開け放つ心地よさと、守られる安心感。
その両方を叶えるのが、簾戸という日本らしい建具の魅力です。


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